葛飾区の防災
亀有共助プロジェクトスペシャル講座
亀有共助プロジェクトも回数を重ねていくなかで、参加者の方からの声がきっかけとなり、今回は特別講師として、国土地図株式会社 代表取締役の稲垣秀夫さんのご協力をいただき、開催しました!
国土地図株式会社は、地図調製業務をはじめ、地理調査業務、写真測量業務を主要事業とする会社で、葛飾区のハザードマップの調整作業を担当したのも国土地図株式会社です
私たちがハザードマップをみても、「うちは何色かぐらいしか分からない」といった方がほとんどかと思います。
恥ずかしながら、私がそうでしたし、今の家に住み始めてから、ハザードマップを一度も開いたことがなかったのです。
今回の講座を通して、『参加者ご自身のご自宅からみて、どちらの方角へ逃げれば良いか』を判断でき、「我が家のハザードマップを作れるようになること」を目的として開催しました。
また、地区防災計画における地域特有の自然災害を知ることに繋がる講座になりました。
地図というと、私たちがよく使うのは、道案内ですよね。グーグルマップやナビタイムなどで、行きたい場所までの道案内や場所案内として使っています。
教科書や民間地図の基本になっているのが、国土交通省管轄の測量行政機関である「国土地理院が発行する地図」であり、「我が家のハザードマップ」創りも地理院地図などの測量精度を保証された地図利用が望ましいそうです。
また、地図には地勢図、地形図などのたくさんの種類があり、下記のように利用目的に併せて選択する、といった地図の知識を学びました。
引用:国土地理院 いろんな地図より
上記の地勢図や地形図をベースマップにして、その上に特定の情報を重ね合わせた地図のことで、下記の地図などを指します。
・ハザードマップ
・行政管内図
・各種管理台帳図(道路・河川・海岸・上下水道etc)
・植生図
・地質図
・土地利用図
・都市計画図
・タウンガイドマップ
・観光案内図
・登山地図
・道路地図etc
地図を観て読み解くには、
1、地図の名称(何を観るために作られた地図なのか)、方位、縮尺、凡例を把握した上で、地図面に目を通すことが大切。
2、地図は利用目的に合わせて作成されているので、地図が作成された目的を把握したうえで、地図に表現された空間の有様を読み解いていく。
というポイントを教えていただきました!
※凡例とは地図の線や記号などの意味を説明したものです。ハザードマップの凡例とはこちらです。
地図は目的に合わせて、様々な情報が入ったり・削除したりして作成されているのですね。地図が作成された目的を理解して、地図にある情報を読んでいく、ということですね!
当たり前の事ですが、今まで地図を道案内や場所案内でしが使っていない私には、改めて勉強になりました。
会場近くの上千葉交通公園にみんなで移動したら、フィールドワークの始まりです!
フィールドワークでは主に、ハザードマップと下記中央と右2点の地図を観ながら、進めました。
まず稲垣社長が用意してくださった上記中央と右の地図は、地理院地図のホームページから全て、誰でもダウンロードできます。
例えば、上千葉交通公園はこちらのURLから観ることができます。
出典:国土地理院ウェブサイト
https://maps.gsi.go.jp/vector/#17/35.757704/139.841765/&ls=vstd&disp=1&d=l
画面中央の十字マークの標高は、画面下の黄色のマーカー部分で確認できます。
こうして、「自分の自宅から、どちらの方角の標高が高いのか」を確認することができます。
また、この画面をプリントして、実際に現場に行き、地図と現場を見比べて、自分で気がついた地図記号を入れながら「我が家のハザードマップ」を作ることができます。
例えば、地図には表現されていない段差や斜面、また普段気にすることはないがランドマークとなる建造物や樹木の種類など、場所や状況に合わせて家族同士の目印として共有することもできます。
そして、実際にいろいろ目線を変えてみると標高差を認識することができます。明らかに低くなっているところ、高くなっているところもあれば、平面に見えてなだらかに高低差があるところもあります。
今回のフィールドワークではハザードマップと標高を確認しながら公園の中を歩いていると、小高く盛り上がった所とゴーカートコースの立体交差部の微妙な標高差がハザードマップ上に表記されていることを発見しました。
(赤い丸の部分)
ハザードマップの精度にも驚きました。お手元のハザードマップを細かく観ていただくと、お住まいの近くにも、標高が低い地域の中でも周辺より標高が高くなっている箇所があるかもしれません!
ハザードマップと照らし合わせて、地域での標高差を確認していくことで、地域全体の地勢や地形を知ることができました。
地図を見ながら、現地も見て、実際に存在する有様を、地図記号などで書いていく。
みなさん大変興味深く、質問したり、書き込んでくださいました。
また葛西からは、もし水害があった時、標高差を知っていると、どっちの方角に水が流れていくのかが解るから、やむを得ずお子さんが一人で避難する場合は、自宅~学校、自宅~避難所などへの避難に少しでも標高の高い道(ルート)を決めておくと良いと言う助言もありました。
Y.I 様
避難場所やそこへ行くまでの道順で通る道路の高低を知ることで、具体的な避難場所への経路や避難場所内でどこにいたらいいのかがわかりました。
避難訓練をする時のルート決定においても大変役に立つ地図を作ることができると思いました。
近いうちに、自宅から避難場所&避難所までの地図を作ってみたいと思います!
C.K様
平坦だと思えた場所にも高低差があることや地図の詳しい読み取り方等を知ることができました。
今学校で地図を教わっている小3の子どもと一緒に自宅周辺のハザードマップを確認しようと思います。
ぜひ、みなさんも我が家のハザードマップ作りをやってみてくださいね!
自分たちの地域での開催にご興味のある方は、百年防災社までお問合せください。
info@100bou.jp
次回は、50数年ヨットに乗っている稲垣氏によるロープワーク講座を行い、水から身を守るためのロープの使い方や選び方、ライフジャケットの選び方・使い方などの講座を開催していきます。
百年防災社は、「みんなで、生き延びるんだ。」という理念をもとに、2020年春に防災スタートアップとして設立。地域の人々と地区防災計画や避難所運営マニュアルを作成。また、大学生と協働し、地域で防災活動を推進する人材育成を行う。防災動画コンテンツのナレーション、制作/発信、シンポジウムの司会進行など、日本全国に「防災」の大切さを広めることをミッションとしている。
■本件に関するお問合せ先
株式会社百年防災社
担当:葛西
メールアドレス:info@100bou.jp
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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